Ginza Net Times Vol.49
5/32

5 Ginza Net Times1982年、東京都生まれ。2002年に映画『青い春』でデビュー。初主演作となった『サマータイムマシン・ブルース』で注目を集め、今やTVや映画に欠かせない若手俳優のひとり。『アヒルと鴨のコインロッカー』や『のだめカンタービレ 最終楽章』などの話題作で若者から支持を受ける一方、NHK大河ドラマ『篤姫』や『ディア・ドクター』などでその実力を広く知られる存在に。今後も『ワイルド7』など出演作の公開が数多く控えている。〝銀座の歴史をまだ味わったことがないからこそ、興味をそそられます〟えいた技術でも理屈でもなく、〝血迷う〞の意味が自然と腑に落ちた 今回の映画では〝切腹〞が大きな位置を占めています。だからと言って今の自分たちに理解できない世界というわけではないと思います。その根底にあるのは、家族の愛という普遍的なテーマですから。僕自身、家族は自分の基盤になっている大切なもの、と思っていますしね。ただ、僕が演じた千々岩求女とう男は、自分の命をかけて家族を守ろうとしました。果たして自分に彼と同じことができるかと考えた時、正直、自信はなかったです。もしかしたら逃げ出してしまうかもしれないと。けれど、今までの経験や感覚で枠に当てはめたりして、記号的に求女を演じたくはなかった。そして、自分の中で試行錯誤した挙句に出てきたのが「血迷う」という言葉でした。 脚本のト書きにも「血迷った」と表現されていた求女の切腹シーンですが、ここは頭で理解する以前に身体が反応した感じでした。実はこの現場に入るにあたって減量をしていたので、元々あまり頭に酸素が回らない状態というのもあり、しかも、広い庭で役所さんや竹中さんや、たくさんの役者さんにズラリと囲まれていて、どんどん追い込まれていくんです。恐怖心が募っていく求女の心理と自然にリンクしていきましたね。最後はもう、僕自身も半ば錯乱状態でしたから(苦笑)。 切腹が見せ場で、三池監督の作品で、しかも3Dで…となれば、派手な演出を期待されると思うんです。そのイメージをいい意味で裏切った作品と思います。飛び出すだけの3Dではなく、この映画には奥行きがあります。映像もですが、ストーリーにも奥行きがあると思います。たくさんの方に観ていただきたいのはもちろんですが、自分自身、この作品でたくさんのものを得ることができました。表現者としての自分を改めて見つめ直せた作品です。 銀座には、カメラ屋めぐりにたまに出かけます。ぶらぶらしながら中古カメラなんかを物色しています。いまどきのデジタルも使いますが、フィルムとかポラロイドとかも好きですね。いつもカメラを持ち歩くほどではなくて、ふとした時に撮りたくなる程度の浅めのカメラ好きです(笑)。 そういえば、今回の映画でご一緒した海老蔵さんに、銀座に美味しい寿司屋があると教えていただきました。もちろん、これだけじゃなく(笑)、演技や殺陣、所作など、海老蔵さんからは本当にいろいろなことを教えていただきました。作品や共演者に向かう強い愛を感じる方でしたね。 銀座は店や街に歴史が残っていますが、そうした部分を僕はまだ味わっていないので興味をそそられる街です。道が碁盤目状になっているからわかりやすいけれど、実際に歩いていると迷いやすい(笑)。そんなところもなんだか気になります。Profile詳しくないから興味がある今の僕と銀座はそんな距離感です3D史上もっとも静かな映画と称され、静謐さと躍動感にあふれた芸術と讃えられ、カンヌ国際映画祭にて鳴り止まないスタンディング・オベーションを浴びた衝撃作。戦国の世が終わった江戸時代初頭。平和に見えた時代の裏で、御家取り潰しが相次ぎ、生活に困窮する浪人たちの姿が…。そんな中で流行した「狂言切腹」。それは武士のプライドをかなぐり捨てたゆすり行為であった。ある日、ひとりの侍が井伊家に切腹を願い出る。その男に対し、家老の齋藤勘解由は、数カ月前に同じように訪ねてきた若浪人の狂言切腹の顛末を語り始めるが…。思いもよらぬ展開と驚愕の結末。一命をかけて己の信じる義を貫く生き様とは。Cinema Preview一命●監督:三池崇史●原作:滝口康彦●出演:市川海老蔵/瑛太/役所広司/満島ひかり/竹中直人、他10月15日(土)全国ロードショー※2D・3D同時上映

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer9以上が必要です